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そのとき見た情景や想いをお客様にも伝えたい

Interview

Bocchiのピーナッツ種まき会 2017

 新緑を抱く山々が輝き始める、房総半島でもっとも美しい季節。今年もたくさんのシェフたちがBocchiのピーナッツ圃場にあそびにきてくれました。目的は、今年の落花生のタネまき。食のプロたちが生産背景をも含めた食材の価値に深い関心を示す昨今、私たちが長年取り扱ってきたピーナッツや、それが育つ九十九里という地域のことももっと良く知ってもらえたらと、昨年から始めた季節の催しです。
 この日は、都内でも連日多くのファンが詰めかける吉祥寺のベーカリー、ダンディゾンのスタッフのみなさんが総勢8名(!)、はるばる電車を乗り継いでやって来てくれました。

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 軽く挨拶を終えると早速、車2台にわかれて圃場へと向かいます。この日はちょうどダンディゾンのみなさんにとって超多忙だったGWを乗り切ったあとの、お休みの日。車のなかでも終始リラックスモードで、きっと田舎の空気を胸いっぱいに吸い込んで、ちょっぴり癒されたんじゃないのかなーと思ってみたり。
 そうこうしているうちに目的地に到着です。今回タネまきをしてもらう畑は3反=900坪。そのうちの1反分を担当していただくことになりました。まずは弊社加瀬の方から、ピーナッツという植物の生態や育成環境、そしてタネの正しいまき方なんかも最初にレクチャーさせていただきます。
 落花生は、みなさんが食べているピーナッツが種子そのもので、焙煎していない生のものをタネとしてまいていきます。もちろん、からつきピーナッツのように、もともとサヤのなかに収まっているので取り出さないといけないのですが、薄皮の表面に傷がつくとすぐ酸化してしまい、元気な種子としては使えなくなってしまいます。ですので、サヤ剥きは、熟練の職人であるおばあさんの手と専用の竹製の道具を使って丁寧に手剥きしていきます。
 タネのまき方は簡単。落花生が育つまで雑草が生えないよう畑にかぶせてある黒いビニールマルチに開いた穴、そこの土に深さ2~3cmほどの溝を掘り、薄皮のついたピーナッツを横向きにして、上から土をかぶせていきます。そして、発芽が良いといわれるピーナッツであっても発芽率100%というわけにはいかないので、ひと粒埋めた穴の次はふた粒と、交互の数でタネをまいていきます。こうすることで、仮にひと粒発芽しなかったり、何らかの理由で土壌のなかで種子がダメになってしまっても、もうひと粒の種子が発芽して、安定した収量をカバーできるのです。
 そうしたら、みなさん、用意されたザルやボウルのなかに落花生のタネを入れて、それぞれマルチの端にかがんだらタネまきがスタートです! 田植えなどもそうなのですが、端から一斉に始めても進み具合はまちまち。スピードが早い方、丁寧な方、みなさんいろんな性格なのが見てとれるのが、やっぱり不思議。そして、そのあとを追いかけて、数人でマルチに空いた穴にさらに土をかぶせいていきます。これは、鳥害対策。タネを土に埋め、芽が出る前の10日間は、「朝はカラス、昼はハト、夕方はキジ」といわれるほど、常に鳥たちの恰好の餌食になってしまう可能性があります。ですので、タネのみならずマルチの穴ごと土をかぶせて目隠しをしたら、今日のタネまきは完了です!

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 約2時間ほどでしょうか。うっすらと汗ばむ炎天下の圃場をあとにして、次は実際にピーナッツペーストが加工されている工場の見学へと向かいました。作業着に着替えて衛生チェックと消毒をして工場内へ。ピーナッツをペーストにする機械、ビン詰めの製造ライン、選別の行程、大きな焙煎機など、普段は目にすることのない裏方でがんばるスタッフの働きぶりも見ていただくことができました。
 さて。九十九里に来ていただいたらご案内したいもうひとつの場所といえば、もちろん九十九里浜! 私たちBocchiの会社がある千葉県旭市からいすみ市までは、全長が実に66kmもの長い砂浜が弓状に広がっています。これは、「日本の白砂青松100選」と「日本の渚百選」とに選ばれているビーチでもあります。そして、この九十九里の里海から吹く潮風やミネラルたっぷりの土壌のおかげで、Bocchiのピーナッツは“らしく”、美味しく育ってくれます。
 また、このあたりで有名なのが食用のハマグリ。みなさん、各々にビーチコーミングをしたり、最後には裸足になってまだ少しひんやりとする水際で、足で砂を掘ってハマグリを探したりして、ちょっぴり季節外れの海の時間を楽しみました。

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 さてさて。そろそろおなかが減ってくる頃でしょう。場所を移して、毎年恒例お楽しみの海鮮BBQです。ビーチで漁獲できなかった代わりにたくさんのハマグリやサザエを用意しておきました。BBQ用に火を熾し、タープの下に即席のパーティテーブルをセット。ダッチオーブンにはたくさんの地元野菜を詰め込み、網の上でたくさんの食材を炭焼きしました。美味しい食事を前にやっぱりみんな笑顔になります。平日の昼間だったのでビールが飲めなかったのが残念ですが笑。

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 今回、ピーナッツ農家を訪れるのは初めてだったというダンディゾンのみなさん。普段から小麦農家やリンゴ農家など、チャンスがあれば積極的に自店で用いる食材の生産者に会いに足を運ぶといいます。
「やはり生産者の方々のもとを訪れると、その食材に対する意識がガラリと変わります。そのとき見た情景とか、生産者のみなさんの顔、うかがった想い、そういったことをできるだけお客様に伝えたいと思うようになりました。」
 私たちBocchiのふるさとである、身近にピーナッツがある九十九里の景色。その日、ダンディゾンのみなさんの目に映ったいずれかの情景が、心の琴線に触れてくれたことを切に願って、今年のタネまき会はお開き。この日まいたピーナッツは初夏の光を浴びてすくすくと育っています。次はピーナッツの収穫祭で!

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