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Bocchiのピーナッツ収穫祭2017

今年も美味しいピーナッツができました

 はっきりしないお天気が続いた今年のお盆時期でしたが、この日の千葉はいい空色に恵まれました。
 去る8月下旬、今年のGW後から蒔き始め、しっかりと大地に根を張り育った落花生たちを収穫する時期がやってきました。タネを蒔いていただいた料理人やパン職人のみなさん、それにBocchiの製品や落花生に興味を持ってくださっているカスタマーのみなさんをお呼びして、連日に渡って今年も収穫体験を行ないました。これは、そのなかのとある一日です。
 Bocchiのある旭市は、千葉県房総半島のほぼ最北端の太平洋側に位置し、銚子市のちょうど西隣。東京からは2時間程度の高速バスの旅で到着します。まず、都内からお子様と一緒にいらっしゃるカスタマーであるお母さまたち(平日なので、この日は男性は少ない人数でした)をバス停にお出迎え。そのあと、車でいらっしゃるチームを待ち合わせ場所にピックアップしに行き、10時にみんなでBocchiの圃場に集合しました。

 みんなで顔を合わせたら、まずは軽く自己紹介です。Bocchiが出店する青山や世田谷のパンまつり、新宿高島屋の美味コレクションの店頭で出逢ったお客さまや、Bocchiの製品を気に入って使ってくださっている今をときめくクラフトベイカーのシェフの面々、それに前回このサイトのウェブマガジンでご紹介させていただいたギャザリング『のみパン』で出逢った人たちも、わざわざ足を運んでくださいました。ありがとうございます!
 自己紹介のなかで、「美味しいもののためならどこへでも!」と宣言されていた栃木の有名ベーカリー、カネルブレッドの平山シェフの言葉の通り、みなさん、美味しいものには目がない感じ。そう、食は人生における大きな楽しみのひとつですね。シェフ以外のみなさんも、食に関するウェブメディアに関わる方だったり、ご自身で畑をやっていたりと、食にはかなり積極的。だから今回は、収穫したての素材そのものの風味をご堪能、そしてご満足いただけたらいいなぁ、とドキドキです。
 自己紹介のあとは、弊社加瀬からオリエンテーションをさせていただきながら掘り取りの現場へ向かいます。

 千葉で育つ落花生は通常、3カ月と10日で収穫時期を迎える作物です。こちらの圃場は全体で約3反(900坪)あり、種蒔き・収穫体験をされたいみなさまに、畑の端の畝から順に蒔いていただいた落花生の一部を収穫いただきました。今年からはここの圃場全体を、農薬や化学肥料を一切使用しないオーガニック栽培で管理してきました。弊社加瀬もほぼ毎日、朝5時くらいから出勤前に畑を見回り、雑草取りなど畑の管理に時間を費やしてきました。
 5月9日に蒔いた畝の落花生は、先ほどの3カ月と10日を経て、まさにこの日に収穫時期を迎えました。収穫の時期は日数の計算も然ることながら、落花生の状態でも簡単に見分けることができます。畝と畝のあいだの人が歩く足場に、落花生の下葉が落ちて茶色くなり始めたと同時に、株についた緑の葉に黒い斑点がポツポツとでき始めたら、掘り取りOKのサイン。ちなみに、この圃場に育つのは、千葉県の在来種である『千葉半立』という品種。他の品種に比べて、育っていく段階での株の立ち上がりが低く、その見た目からこのような名前が付けられました。実はこの千葉半立は、もともとこの地に自生していた落花生で、風味は他の品種と比べても際立っており、県内では全落花生生産量の70%近くにまで上ります。しかも、煎りザヤ(からつき落花生)で食べると最高に美味しい品種なんです。

 鳥害対策や発芽しなかった時の担保として、種蒔き時に畝にはタネをひと粒、ふた粒と交互に蒔いていきました。その結果、鳥にも食べられずしっかり発芽した株元は、交互にボリュームのあるふた株の状態で成長しています。弊社加瀬のディレクションのもと、葉にしっかりとした斑点のついたボリュームある株を選んで、両手でしっかりと株元を覆うように掴んだら、真上にそーっと力強く引き抜きます。すると土のなかから、たわわにサヤの実った落花生たちが次々に現れました。みなさんの「わぁ~」って言いながら顔がパッと明るくなって、自然と笑みがこぼれるこの瞬間は、何度立ち会っても生産者冥利に尽きるもの。このために頑張っているんだなといつも思ってしまいます。
 今回は、収穫したものをそのまま持ち帰り、ゆでて、その場でぜひ旬の滋味を味わっていただこうと考えました。みなさんで掘り取った株付きの落花生たちをたらいや竹かごに入れたら、畑の土を落として一路BBQ会場へ向かいます。

 会場で落花生を下ろしたら、次はたらいに水をはって完全に土を洗い流したあと、株からサヤをはずします。薄日が差し込め蒸し蒸しとした汗ばむ陽気のなか、土を洗い流すたびにヒンヤリとした井戸水がなんだか心地よく感じられます。みなさん、自分たちで収穫しただけあって、丁寧に大切そうにサヤを株からはずしていました。子供たちも作業に一生懸命です。
 キッチンでは、落花生が茹でられている脇でおむすびが握られたり、野外のタープ下のBBQ台では、鮎や海老の塩焼きが炭火で豪快に調理されています。
 そんな夏の旬の味覚に舌鼓を打つかたわらで、今度は本物の竹で涼をとる流しソーメンが! 意外と流れが速いソーメンをうまく箸ですくい上げるのにキャーキャー盛り上がりながら、楽しい時間は過ぎていきました。最後は、井戸水でキンキンに冷えたスイカでスイカ割りを楽しんで、当日の会はお開きになりました。

 8月の中下旬は、今年もたくさんの方々に私たちが育てた落花生の収穫を体験いただき、みんなで美味しい旬のものを感謝しながらいただくことができました。
 この記事がアップされる頃には、畑で掘り取られたすべての落花生が乾燥の期間を終え、今年の新豆が出回る頃でしょう。Bocchiの製品にも少しずつ新豆を使ったものが入ってきます。今年の落花生をどうぞ楽しみにしていてくださいね。