こだわったのは、そのなめらかな舌触り。加糖タイプ、粒入りタイプも。
Photo:ぼっちとは、乾燥させるために収穫した豆を畑に積む「野積み」を意味する地の言葉で、浜の秋の風物詩。昔ながらの丁寧な手仕事が、落花生の本当の美味しさを引き出します。Bocchiのブランドネームはここから。
掘取り後約1週間、地干し(ひっくり返して乾燥)された落花生は、ぼっち(野積み)にされ1〜2ヶ月乾燥します。ゆっくり、じっくり太陽と風の力で乾燥された落花生は、機械乾燥にはつくれないおいしさ。実はこのおいしさが熟成されるのは、落花生の生き物としての本能が密接に関係しています。落花生は土(ふかふかで暖かい栄養たっぷりなベッド)から掘り上げられると同時に、子孫を残すため遺伝子にスイッチが入り、来春の種蒔き後に力強く芽吹くための体力(良質なたんぱく質、脂質、炭水化物など)を蓄え始めます。このぼっち乾燥1〜2ヶ月の間にショ糖がゆっくり増えて甘みを増すのですが、機械などの温風乾燥で急速に乾燥させると甘みが少なく、硬い食感になってしまいます。明治時代から続く浜の秋の風物詩は、後世に伝えたい味です。
令和2年5月に種蒔きされた落花生は例年と少しだけ事情が違います。ぼっちの約1ヶ月半(9月上旬〜10月中旬) 1週間に2日曇り時々晴れ、5日雨天という日々が続きました。このまま積んでいても長雨にさらされ品質が低下してしまいます。 苦渋の決断ではありますが早めに脱穀し、工場の乾燥庫にて常温の風でなるべく自然に近いかたちで乾かすことになりました。この後は、手むき作業の福祉作業のみなさんの元へと運ばれます。
この記事を書いている10月下旬。Bocchiの旭工場は、例年であれば生産者さんからの落花生が入った麻袋で埋め尽くされ、殻を剥いたり洗ったりとフル稼働しているのですが、 9〜10月の雨天の影響により、上記の写真のようにほとんど入庫されていません(泣)。そろそろ長い雨が空けるようですが、生産者みなさんが手塩にかけて育てた落花生が、無事に工場まで届くことを祈るばかりです。
9月の中旬、Bocchiの畑に星野リゾートのシェフが掘り取り体験に来てくださいました。昨年も収穫イベント「野積祭」にご参加いただき、1年ぶりの再開は私たちにとってもとても嬉しい出来事です。約1時間、共に落花生の堀取り反転作業で軽く汗をかいたあとは、お楽しみの「畑でデザート」の時間です!予め仕込んできていただいたBocchi畑で採れたピーナッツペーストを使ったソースやパイ生地、レモンクリームソースに信州ぶどうのシャインマスカットにナガノパープルと、とても贅沢な「落花生とレモンに信州の葡萄を合わせたミルフィユ」をいただきました。隠し味はなんと、掘りたてのゆで落花生!!
また、この写真には写っていないのですが、「落花生の黄色い花を添えたブランマンジェ」も本来アーモンドパウダーで仕込むところをBocchi落花生パウダーで、ピーナッツの香りたっぷりに仕立てていただきました!こちらの隠し味はBocchi畑で採れたピーナッツ蜜煮で、これまた至福なひとときでした。Bocchiもいつかこんな素敵なメニューのお店を出して、みなさんとこの幸せを分かち合いたいな〜♪
・大日本工芸市 @ 熊本 11/21(土)〜 11/23(月祝)
出店リクエストお待ちしております→Bocchi Instagram