こだわったのは、そのなめらかな舌触り。加糖タイプ、粒入りタイプも。
みなさんは『のみパン』という名のギャザリング、聞いたことありますか? なんだかとてもキャッチーで、ほっこりする名前です。ついでにどんなものかと言いますと、「美味しい料理とお酒をみんなで楽しみながら、その場でパンをつくって食べちゃう」という、まさかの“飲み会の体を成したパン教室”と言えば、わかりやすいでしょうか。
この会を主催するのは、『さいころ食堂』という屋号で食の企画業を手がける大皿彩子(おおさら・さいこ)さん。食品関連企業のブランディング、女性誌などへのユニークなレシピ提供、中目黒のヴィーガンカフェ『アラスカ ツヴァイ』の運営など、「美味しい企画業」を謳い多角的にご活躍するフードプランナーです。
「ご飯を炊くように気張らずパンを焼いて……って思っているんですが、それもちょっとむずかしいことなので、まずはみんなで楽しく!っていうのが、私が思っていることで。毎回テーマを決めて、それに沿ったお料理をデザートも含めて5~6品、それに飲み放題のビールやワインがついてきます。料金はいただいているのですが、利益はあんまり考えていなくて、私としてもこの集まりを通して、たくさんの人々との出会いの場になればと思って続けているんです」
……と、テンション的にはほぼ趣味的な感じでやっているそうですが、実は今回(2017年5月現在)で既に106回目(!)。4年前から始まって、仕事の合間に月2回ほどのペースでコンスタントに開催しているというから驚きです。凄いバイタリティ。そして参加は紹介制なので、常に何らかの関わりのある面々がテーブルを囲むという、とってもアットホームな集まりであるというのも、参加する人たちにとって魅力の一つです。
さて、実は今回、われわれBocchiはちょっとしたゲストとしてご招待いただいたんです。その名も、『のみパン・マニアックス』! ピーナッツという食材にスポットを当てた、ちょっとマニアックな“ピーナッツのみパン”で、大皿さんとしてもこういう感じは初の試みだそう。というわけでまず、今回のお酒に合う料理のすべてにはBocchiのピーナッツペーストがなにがしかの形で使用されています。そして、いつもののみパンで2種提供されるパンのうち、一方にもピーナッツペーストが使われます。大皿さんご自身もBocchiのピーナッツペーストを気に入ってくれていて、「わたしもピーナッツペーストを使った料理をいろいろ試してみたかったんです。で、『ピーナッツペースト便利だよね、一家にひとビンあったらいいね!』って、その本当の美味しさをのみパンという体験のなかでお伝えできたらと思って」とおっしゃってくださり、今回この企画が実現したんです。われわれにとっては、とってもありがたいことです。
そうこうしてるうち、19時頃になると、今回の参加者が続々と集まってまいりました。各々自己紹介をしながら、弊社加瀬とBocchi製品もご紹介させていただき、取り急ぎはもちろん、キンキンに冷えたビールで乾杯です!
まずはみんなでエントリーの副菜を楽しみながら、それらの料理の説明をうかがいます。はじめの一品たちは、ゴマペーストの替わりにピーナッツペーストでコクをつけたマンゴーとニンジンの白和えや、ミズナとレタスと鶏肉の生春巻きにつけるアジアンテイストなピーナッツ味噌ディップなど。とても上手にアレンジされていて、Bocchiにとってもヒントが満載です。
そして、パンづくりは2チームに分かれて進めていきます。今回はスイートなココナッツ&ピーナッツ バナナロール、それにハード系のライ麦とくるみのパンです。それぞれに焼き上がったらその場でいただく用とお土産用、その両方を参加者全員でシェアしていくので、楽しみも2倍。会の後半に、さっきまで捏ねていたパンそのものを食べることができるというライブ感も大きな魅力です。で、この4年で焼いてきたパンのレシピは通算35種類にもなっています。参加者のなかには、これまですべての種類のパンを焼いてきたというツワモノもいらっしゃるそう!
早速1陣目が大皿さんのご指導のもと作業台を囲み、ライ麦入りハードパンの材料合わせ、捏ね、そして一次発酵までを進めていきます。宴のテーブルでは、料理とお酒とBocchi加瀬を囲んでのピーナッツ談義が繰り広げられています。一次発酵は発酵機のなかでだいたい30~40分程度。そのあいだ、作業スペースを第2陣とバトンタッチし、2種目のパン、ピーナッツロールをつくっていきます。ほっと一息の第1陣が腰掛ける奥のテーブルには、新たにメインディッシュのひとつ、切り干し大根を麺に見立てて、ピーナッツペーストのコクあるソースで絡めたヘルシーなパッタイが運ばれてきました!
第2陣に混じってパンの材料合わせをしながら、「会が始まってしまったら慌ただしくてご自身が楽しんでいるヒマはないんじゃないですか?」と大皿さんに問うてみると、「みんなに楽しんでもらえれば私はとても満足ですから」と笑顔でお返事が。
小さな頃から周りの人たちをびっくりさせるのが大好きだったという女子高生の夢は、CMをつくる仕事。晴れて広告代理店で大きなクライアントの仕事に取り組み、当時からの夢を実現させてくれる現場の渦中に身を置くも、その規模があまりにも大き過ぎ、自分が届かせたい人々に届いているのか、いないのか、まったく想像もできなかった日々。「もっともっと人と近いところでダイレクトに人々に喜んでもらいたい」。そんな願望が芽生え始めたのもこの頃だったといいます。そして、企業のCSR広告を担当し、世界の貧困を知り、人々が安心して食べられる食卓や、すべての人々がずっと食べ続けられる未来への取り組みを通じて彼女が気づいたこと、それが「食は言語フリーで、未来に繋がるコミュニケーション」だということでした。「それからいろいろ考えても、食というものを超えてくるコミュニケーションがわたしのなかでは見つからなかった。だからいま、この美味しい食の企画業をやってるんだと思います」 楽しいギャザリングのなかにもこんな思いが隠れているのだと思ったら、そしてそれを笑顔でさらりと言ってのける彼女のいろんな話に耳を傾けていたら、胸の奥をぐっと掴まれる熱い感じを覚えました。そろそろ心地よいワインの酔いがまわってきたからかな?
さて、第2陣のパン生地が発酵機に入る準備が整ったら、また第1陣に入れ替わり、今度はネクストステップ、2次発酵にまで進みます。ハード系のパンは、ねじるような成形で焼き上がりの形にこだわり、それが終わったらまた第2陣に入れ替わり。スイートなロールパンには、ピーナッツペーストを塗り広げたなかにバナナを納めてロールして、4当分してアルミのカップに納めていきます。
そうこうしてるうちに、メインディッシュのもう一つ、豆乳とピーナッツペーストと白味噌を合わせてパスタに絡めた、生クリームいらずのペンネ・カルボナーラが食卓にあがります! ここからは、参加者全員でテーブルを囲んで、大皿さんが今日つくったパンと料理レシピのおさらいをしてくださいます。するとそのうち、キッチンの方からパンが焼ける良い香りも! みなさんが白ワイン片手に興奮気味に作業テーブルを囲むと、そこには焼き上がったばかりのパンたちが。「おぉ!」カゴに盛り付けられるとみんな満足げにスマホでパシャパシャ。大皿さんも交えてチームで記念撮影をしたあとは、みなさんが座るダイニングテーブルに持ち寄ってのシェアリング&品評会です。「どれにしようかな?」「良い香りっ」「おいしー!」「もったいなくて食べられない」……さまざまな会話が飛び交います。
最後にピーナッツテイストのミルクプリンが振る舞われ、今日の会のお土産にピーナッツペーストもプレゼントさせていただきました。
初めての試みだったこの『のみパン・マニアックス~ピーナッツ編』。つながりあるみんなでテーブルを囲み、食の楽しさや喜び、そしてその奥深さをシェアできたであろうこの数時間の体験で、みなさんの心のなかに何か新しい思いや刺激が芽生えたことを切に願っています。
最後になりましたが、こんなチャンスを与えてくださったフードプランナー大皿彩子さんにこの場を借りて御礼申し上げます。どうもありがとうございます!
これを読んでくださったみなさまのなかからも、近い未来に何らかのつながりでこの会を体験していただける方が、ますます増えていけばいいなと、わたしたちBocchiとしても思っています。
ピーナッツ、ばんざい!